テレビ出演をした日 何故だか急に思い出した。僕がテレビに出演したあの日のことを。 まぁ僕もご多分に漏れず、幼い頃から「テレビに出てみたい」と思っていた時期がありました。そりゃ誰だって、どこの家庭にも置いてある、あの魔法の箱の中に入ってみたい、いつも見ている側から見られる側になってみたい。そんな願望を抱くのは当然の事と思います。 僕は幼い頃から果てしなく地方在住者なので、テレビに映るどころか、芸能人を生で見るような機会さえ、全くをもって皆無でありました。チャンスといえば、年に一度の初詣。熱田神宮に訪れるとんでもない数の参拝客をニュースにするためにやってきた名古屋のテレビ局のカメラに映ること。でも子供だった僕には、カメラマンが担いでいるカメラレンズには背が届くはずもなく、ただ人波に押し流されるだけでした。
その番組は「ミックスパイください」という、一体何が言いたいのかわからないタイトルのローカル番組。でもこれが非常に高視聴率を誇った有名な番組で、放送される夕方の時間帯は誰もが観ていたといっても過言ではないほどの番組だった。今をときめく有名芸能人も、売れない時期に多くゲスト出演していたという、最早ローカルなんて言葉ではすまされない伝説的な番組だったのです。 そのなかで、これまた名古屋人の間では有名な「バーゲン野郎」というキャラがいろんな店に訪れ、店主と対決してバーゲンプライスを勝ち取るという人気のコーナーがあった。それが当時僕がバイトをしていた店にやってきたのだ。 「バーゲン野郎が来るぞ」 番組は生放送だったため、急ぎ学校から帰宅してバイト先に向かいます。学校にバイトをしていることを知られては困るため、服装はバイトの制服ではなく私服で、いかにも偶然に居合せた一般ピープルのふりをして、出演をすることに。 対決はバイト先の社長とバーゲン野郎のクイズ対決。バーゲン野郎から出題されるクイズに社長が答えて、その正解率でバーゲン価格が決定するというものだった。 カウボーイハットにすだれのようなものが垂れ下がっているベスト、いかにもウェスタンといったいでたちでバーゲン野郎がギターを抱えてやってきました。 なんとか多くの値引きを勝ち取りたいバーゲン野郎。それを阻止したい社長。火花散る対決になるはずなんですけど・・・ 今だから言えるんですけど、番組もとっくの昔に終わってるから言えるんですけど、 割引率なんて、最初から決まってた まぁ・・その・・アレですよ、ヤラセですよ、ヤ ラ セ。 バーゲン野郎が来る前から僕らは、商品全てが3割引になることが分かっていた。もうなんか、社長なんか、リハーサルでクイズの答え、教えてもらってたもんな。
「はーい、今日のバーゲン野郎は、○○(店名)に来ています!」 そんな感じで、僕は社長の後ろで応援する役でテレビ出演を果たしました。正面に設置されたモニターを見ながら、わざとらしく大げさに拍手をしたり、声援を送ったり。途中、社長が教えてもらったクイズの答えを忘れてしまい、後ろからコッソリ教えてあげるというファインプレーを見せつつも、予定通りの正解率でバーゲン野郎のコーナーは終了しました。
そして、その放送を学校の先生が観ていたのかどうかはわかりませんが、しばらくして僕はバイトしてるのを学校の先生に見つかってしまうのでした。
これまた伝説的などうでもいい脇役でした。 |