パンツの中であふれだした無情
ワンスアポンナタイム
幼くしてこの世の無情を知ったある男の子の物語。
アメリカはミズーリ州セントルイス市の田舎で元気に育っていた男の子トム。
エブリデイ元気にエレメンタリースクール(小学校)に通っていた。
それは2年生になって新しいクラスにも慣れてきた初夏のある一日、
トムは未だかつてないピンチをむかえていた。
・・・・うんちが・・・したい・・・
今日は朝寝坊したためにトイレに行くことができなかったトム。
スクールに着いて間もなく、1時限目から猛烈な便意に襲われていた。
考えていることといえば、頭の隅から隅までうんこのことばかり、ティーチャーの話など全くのうわの空、時折やってくる便意のウェーブに耐えることで精一杯だった。
トムは耐え続けた。スクールのトイレでうんこするなんてことは許されない、絶対に許されない。そんなことをしたら瞬く間にクラスメイトがトイレになだれこみ、
「うわー、トムがうんこしてるぜ!」
「クッセー、やーいうんこマン!うんこマン!」
と、"トム・ウンコマン"という恐ろしくも恥ずかしいニックネームを付けられてしまうことは明白。しかも微妙に語呂がいいところがこれまた最悪。トムはマイホームに帰るまでうんこをガマンすることを神に誓った。
時が経つにつれ、頻繁に便意のビッグウェーブが押しよせてくる。
トムは耐えた。もはや授業など全く聞いてはいない。たとえ今、目の前でマリリンモンローが捲れあがるスカートを押さえていたとしても、それを見る余裕など無かったであろう。それ程トムは切羽詰っていた。
もこりもこりと腹の中の物体が、今まさに菊門を押し広げて外に出ようと蠢いている。脂汗を流しながらも、トムは耐え続けた。
それは地獄の底から這い出てくるサタンを彷彿させる脅威であったが、トムは眉間の前で両手を合わせ、イエスに祈りを捧げた。今トムにできることは祈ること、そして耐え忍ぶこと。
トムは決して実を出さず、空気さえアナルから出すことを拒んだ。
そして待ちに待った下校の時間。
「今日僕、用事があるから先に帰るね」
とクラスメイトを振り切って家路を急ぐトム。スクールからホームへは
歩いて30分の時間がかかる。トムは走った。もう一刻たりとも猶予は無かった。
走ることで下腹部が刺激されてうんこが出てくるのが早まってしまうことを知りながらもトムは走った、走った、波が来た!歩いた、収まった、また走った。
トムの家が200m先に見えた時、安堵の表情を浮かべたトムの菊門は、悲しいかな限界に達してしまっていたのだった。
「もうダメ・・・出る・・・」
トムは最後の賭けにでて、ラストスパートをかけた。
・・・・やはりとうに限界を越えていたらしい。それはとても走っているとは言えない姿だった・・・・そしてトムの目から一筋の涙が流れた瞬間、モコッとトムのズボンの尻が盛り上がった・・・・神はトムを・・・無情にも見捨てたのだ。
えもいわれぬ異臭がトムの鼻を突いた。トムは尻を押さえながらそれでも走った。泣きながら尻を押さえて走る少年から漂う異臭。すれ違う人々から顔を背けながらもトムは走った。
ようやく家に入った後、玄関で泣くだけのトムを心配してママがやってきた。
「トム、どうしたの?」
「マミー・・・・・うんち漏らしちゃった・・・・・」
ママに手を引かれトイレに入るトム。茶色い固形物を便器に流し込みながらトムは人生最大とも言える危機を救ってくれなかった神を呪った。
トムはまた泣いた。今日一日の苦労が一瞬で無になったことが悔しくて泣いた。
この世に神なんていない。トムはこの日から無神論者になった。
それは、うんこ一つでこの世の無情を知った少年の物語だった。
トムって誰のことかって?だからそういうことは聞かないでください・・・

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