
マルチ商法に勧誘された もう10年近くも前の話なんですが、友人からマルチの誘いを受けたことがあります。 ある時、僕に一本の電話が、 「ラジ、久しぶりだな。今から呑みに行かないか?」 電話の相手は、学生の頃、一緒にバンドを組んでいたUからです。 「Oもいるし、奢るからさ」 O!コイツも一緒にバンドを組んでいた仲間ですが、この二人の2ショットはあまり考えられない。しかも奢るなんてコイツらの口から初めて聞いた言葉で、その時から僕の妖怪アンテナはビビンとおっ立ち始めました。これは何かあるぞと。
「実はさ、お前にいい話があるんだよ。」 キターーーー!彼らの目的は見紛う事なきマルチの勧誘でした。 あまりにも有名なマルチ商法なんで、実名出しちゃいます。 当時の僕は、かもめサービスもMOJICOも知りませんでしたが、説明を聞いたらこれはマルチだと確信しました。 実は僕、学生時代にハッピーバンクという、これまた有名なマルチに引っかかったことがありますから、ネズミ講の下の人間を見つけて被害はありませんでしたが、新聞にデカデカとそれが載った時、初めてマルチ商法だということを知り、激しく後悔したものです。あれは確実に友達を失くします。 UとOは真剣にMOJICOの素晴らしさを語ります。 「このFAX一つでいろんなものが安く買える」 「誰でも簡単に使える。パソコンが使えなくても大丈夫」 「松下電器やいろんなメーカーも開発している」 ようは、MOJICOをホームターミナルとしてなんかいろんなことができるらしいのです。僕の目にはてんで大したことの無いシロモノに写りましたが、彼らに言わせれば、これから確実にMOJICOの時代が来る!今買って、代理店登録をしてMOJICOを販売すれば何千万と儲かる!ということらしいのです。 40万円近いMOJICOの価格、それはMOJICOを販売する代理店の権利を買う価格のようです。 僕は彼らが不憫に思えて仕方がありませんでした。 素人目に見ても、誰がこんなFAXに40万円近い金を出すだろうと思ったのですが、彼らは完全にMOJICOに心酔しきってます。 途中、Oの携帯が鳴ります。 「はい、今話をしているところです。」 どうやらOの上流にいる人からのようです。上から新規獲得するように強く言われているようです。これも典型的なマルチの特徴。もしくは新興宗教の勧誘にありがちな光景。 僕は「これは売れない」「MOJICOの時代なんて来ない」 と反論しましたが、マニュアル的な切り返しトークで返されます。 僕にはもう、彼らをこのMOJICO地獄から救うことはできません。 彼らの必死さは充分伝わりました。ローンの用紙を用意して書かせようとしたり、詳しい人(=上の人)を紹介させられそうになりました。 僕はそれ以上反論しようとはせず、 「やらない、俺はやらない」「なんて言われようともやらない」 強く断る作業に終始しました。それはおもちゃを買ってくれと泣き叫ぶ子供より強い意志とかたくなな態度で。 「ホントにやらなくていいのか?俺が2・3年後にフェラーリに乗ってたらどうする?くやしいだろ?俺はこれでフェラーリを買うぞ」 とあがきを見せるのですが、もう相手にしてられません。当然その後に彼がフェラーリに乗っているなんてことはありません。変わらず貧乏なままです。 2時間以上経ったでしょうか、ようやく開放され、帰る間際に食事代を払わせてくれと頼みましたが、結局奢ってもらいました。Oの携帯にまたさっきの上の人から着信があります。 「すいません。ダメでした」「はい、がんばります」 しきりにOが謝っていましたが、知ったことではありません。
驚きなのがMOJICOがさらにバージョンアップを繰り返して、今でも盛んにかもめサービスの勧誘がされていることです。 いまだに淘汰されていない事にビックリしてるんですが、それよりも、昔と違ってインターネットがかなり普及していて、そのインフラもかなり整備されてるこのご時勢に、まだMOJICOに魅力を感じてお金を出してしまう人がいることです。 今は40万円を超えているようですが、この不景気な時代に、あなた以外にそんなお金を出す人が、いったいどれくらいいると思いますか?儲かると思いますか? |